裁判官、ピカソの「アイロンをかける女」の賠償請求を却下

裁判官、ピカソの「アイロンをかける女」の賠償請求を却下

Selena Mattei | 2024/06/19 {分}分読んだ コメント0件
 

パブロ・ピカソの1904年の絵画「アイロンをかける女」は、マンハッタンの最高裁判所が「訴訟可能な強要」を証明できなかったとして損害賠償訴訟を棄却したため、グッゲンハイム財団に残ることになった。トーマス・ベニグソンが起こしたこの訴訟は、カール・アドラーが1938年にナチスの迫害によりこの絵画を売却せざるを得なかったと主張したものの、裁判所は具体的な強制の証拠を見つけられなかった。


パブロ・ピカソの1904年の絵画「アイロンをかける女」は、マンハッタン最高裁判所が賠償訴訟を棄却したため、グッゲンハイム財団に残ることになった。Law.comによると、トーマス・ベニグソンが起こした訴訟は「訴訟可能な強要」を立証できなかったと裁判所は判決を下した。

ドイツ系ユダヤ人の美術収集家カール・アドラーの子孫であるベニグソン氏は、アドラーがこの絵画をナチスの迫害下の1938年に1,552ドルで売却したと主張している。これは絵画の価値14,000ドルのほんの一部にすぎない。絵画の現在の価値は1億5,000万~2億ドルである。

アンドリュー・ボロック判事は、アドラー家は絵画がグッゲンハイム美術館にあることを以前から知っていたが、これまで強要を主張していなかったと指摘。原告らは売却に際して具体的な強制を示せなかったと述べた。この判決は、ゴッホの「ひまわり」やベロットの「ピルナの市場」をめぐる訴訟など、最近の棄却によって浮き彫りになった美術品返還訴訟における幅広い課題を反映している。


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